まずおさらいですが、「相関」とは2つの変数(データ)の関わり具合を示しています。
「相関が高い」とは2つの変数が互いに密接に結びついているという事を指し、反対に「相関が低い」場合は2変数間の関係は薄いという事になります。そして「無相関」とは2変数の間に何の関係もないことに意味します。
また「相関」がある場合でも「正の相関」と「負の相関」の2種類が存在します。「正」の相関とは、1つの変数が上昇(下降)すればもう1つの変数も上昇(下降)する関係を指し、「負の相関」とは1つの変数が上昇(下降)すればもう一つの変数は下降(上昇)するという関係のことを言います。
株式市場の場合であれば、同じ業種の株式は比較的相関関係が高いと言われています。そしてこのような相関を調べるのが相関係数と言われるものです。
現代のファイナンス分野では、株式は対数差収益率を確率変数とみて分析することが一般的です。
では、これをどのよう使って株式投資における利益へとつなげるのかというと、もし自分が持っている株式間の相関が分かれば、市場が大きく下落した時に1つの株式の暴落に他の株式が同じように暴落するかどうかなどがある程度予測できます。
このように複数の証券を組み合わせて保持することをポートフォリオと言います。そして一つの証券を単独で持つよりも複数の証券を組み合わせてポートフォリオとして持つ方がリスクは分散できると金融工学の分野では理論的に証明されています。
これは分散投資効果と呼ばれ、そのリスクを計算する上において標準偏差が使われますが、その値は証券間の相関係数に大きく左右されます。
つまりなぜファイナンスにおいて2変数(この場合だと2つの証券)の相関を調べることが大切なのかというと、リスクを回避しつつ安定的に収益を生み出すポートフォリオを構築するのに不可欠だからです。
収益率で相関関係を把握する際は、対数差収益率ではなく累計収益率を使わなければなりません。また配当などがあるかどうかも分析によっては注意しなければなりません。
↓の本は、こんな感じで証券のリスクリターンの数値化などについてできるだけ分かりやすく説明しているのでもし興味があればどうぞ
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