というわけで前回に引き続き、Rでの時系列データを使った単位根検定を行っていきます。前回の結果としては2005年から2016年までのTOPIXのデータには、時系列分析を行う上で必要な定常性がありませんでした。なのでデータを加工することで、定常性を持たせることにします。
定常性の持たせ方は大きくこの5つです。
①データの差分を取る
②データを対数変換する
③データを対数変換して差分を取る
④データを指標(変化率など)に変換する
⑤データを指標に変換して差分を取る
まあ後のデータ計算も考えると⑤:対数変換して差分を取るというのが、一番オーソドックスな手法です。
> r.topix2016 <- diff(log(TOPIX2016)) ## データを対数変換して差分を取る
> r.topix2016 <- r.topix2016[!is.na(r.topix2016)] ##欠損地の削除
> head(r.topix2016) ## データの確認
Close
2016-01-05 -0.004180864
2016-01-06 -0.009992065
2016-01-07 -0.023582617
2016-01-08 -0.003912562
2016-01-12 -0.027438276
2016-01-13 0.028436198
差分や対数変換については↓のリンクで解説しています。
というわけで、この対数変化率に加工した時系列データでADF検定(拡張ディッキー–フラー検定)に再挑戦してみます。
> adf.test(r.topix2016)
Augmented Dickey-Fuller Test
data: r.topix2016
Dickey-Fuller = -6.7341, Lag order = 6, p-value = 0.01
alternative hypothesis: stationary
p値(p-VALUE)が0.01と極めて低いので、このデータは定常過程(定常性がある)と言えます。次は時系列モデルについて見ていきます。
コメント